用語解説

Microcystis

Microcystisは藍藻類で、球状の細胞が集まって群体を形成する。大増殖してアオコを形成する。 浄水場では凝集障害を起こす。また塩素処理によって群体が分解し、細胞が浄水中に漏出する事例が多い。 肝臓毒のmicrocystinを生産する種類もある。
発生した場合は、
1)活性炭処理、2)前塩処理を停止し凝集材を増やす、3)沈殿処理水に後凝集剤を入れてろ過池で取るという方法などがある。
3)の場合、ろ過池がすぐ目詰まりを起こすので頻繁に洗浄が必要になる。

不快生物 (Q&A 4 を参照)

人に寄生したり病気の原因にはならないが、人に発見されると不快な気持ちを起こさせる生物群。水道の場合、給水栓から出現する生物はハリガネムシ、線虫類、ワムシ類、ミズダニ類、ユスリカ幼虫等がある。また、浄水処理にろ過閉塞や漏洩等の障害を起こすことはないが、沈殿地の施設内に長くたなびくアオミドロやメロシラ等の付着藻類をいうこともある。人に危害を加える生物は病原虫や衛生害虫という。

凍結工法 (Q&A 8 を参照)

給水管など小口径の漏水の修理の際、あるいは消火栓の修理取替えの際、水の動きを少なくして修理の手前部分を、液体空気で管内の水を凍結させ、断水することなく効率的に修理補修する工法をいう。また、シールド工事、推進工事の発進到達立坑などの湧水を止める止水工事にフレオンガス、液体窒素などを使用して、補助工法として使われることもある。(水道用語辞典 平成8年)

還元 (reduction) (Q&A 9 を参照)

1.酸化物から酸素が奪われること。酸化の逆。
2.物資が水素と化合して新化合物を生成すること。
3.一般的に物質が電子と結合すること
(水道用語辞典を基に編集)

CT値 (CT Value) (Q&A 9 を参照)

消毒剤の濃度(mg/l)とその接触時間(min)の積で、消毒効果を表す指標として国際的に認められている。
Concentration と Time の頭文字を取っている。
(消毒剤濃度x接触時間)

閾値(イキチ)(threshold value) (会報 第5号 p2 左欄)

ある作用(刺激)が生体に反応を引き起こすか引き起こさないかの(最小)限界の強さ(値)。特に、化学物質によって生体反応が起る最小濃度を閾濃度(threshold concentration)ともいう。水道では臭気について使用されており、人が感知できる最小濃度を意味する。
(水道用語辞典から引用)

オオミズオオバコ (Q&A 11 を参照)

形態

一年生の沈水植物でオオバコに似た葉を持つ。葉には長い葉柄があり、葉身は緑褐色から紫褐色、楕円形から広卵形で縁に不揃いの歯牙があり波状に縮れる。葉身の大きさは定着条件により大きく変化し、長さ10cmから1m程になる。花は直径2から3cmの一日花。白・桃色・薄紫色の両性花。長い柄のある苞鞘の中に1個づつ付き、水面上で開花する。花弁は倒卵形で3枚、がく弁は長楕円形で3枚、おしべ6個。種子は熟すと弾けて水面に拡散落下し、暫く浮いて漂い水没して着生発芽する。

分布

東南アジアを中心に北アフリカ、インド、オーストラリアに自生する。日本では本州以南、奄美・沖縄諸島の水田、水路、池沼、湿地に生育する。

利用

オオミズオオバコを東南アジア各地、日本では沖縄で食用としている。若葉はやわらかく癖がないので、取立てを良く洗って生食で、または肉料理などに添える。 ついでの紹介をお許し下さるなら、藻類のアオミドロを生食、オムレツ、スープで食べる地域もある。 また、中華料理でお馴染みの空心菜、和名ヨウサイのタイ料理、パックブンファイデーンは筆者の好物である。さらに、オオミズオオバコは龍舌草の名で生薬として使われており、止咳、清熱、利尿の効果があるといわれている。 水生植物は水中や底泥中の窒素とリンを多く吸収して成長が早く、ビタミン、ミネラルを豊富に含有する植物で、水質浄化にも一役買っている。